同一労働同一賃金を労働法の観点から見た場合

同一労働同一賃金の取り組みは、労働省が定めるガイドラインに従って様々な企業が推進を図っています。しかし、その遂行度も現在のところ十分とは言い難い面があります。
労働者に対して平等な対価を与える、その為に必要なことの一つに「法的拘束力」があります。
乱暴な言い方にはなりますが、同一労働同一賃金の取り組みを法律で強制してしまえば、企業側も動かざるを得なくなります。

では、実際のところ労働法等の法律から見た場合の同一労働同一賃金は、一体どのようになっているのでしょうか?

同一労働同一賃金と労働法の兼ね合い

労働基準法第3条の均等待遇や、第4条の男女同一賃金の原則は、国が定める「法律」の一部分です。労働基準法の総則部分に倣えば、企業独自の規則をもってしても基準法に反する雇用形態は違法とされており、使用者はその法律に従う確固たる「義務」があります。

また、非正規雇用と正規雇用の差別的な待遇も、第20条における雇用機会均等法に反するとして、原則として認められていません。
同一労働同一賃金を本格的に推進していくにあたって、これらの「法的拘束」は避けて通れない問題なのです。
最も、労働者の観点から見れば当然の権利であり、メリットこそあれどもデメリットのない話ではありますが、雇用側がそれをどう受け止めるかは、今後の注目点となるでしょう。

このように、同一労働同一賃金の取り組みは、国が定めた法律による「義務」であり、雇用側はいかなる場合も不当な待遇を労働者に処すべきでないという原則でもあります。

しかし昨今は「ブラック企業」という言葉が世に蔓延し、モラルの欠けた雇用者が法に背いた経営を続けているケースが多く見られます。
そこに明確な罰則を設けない限り、結局のところは雇用側の良心に委ねるしかない問題なのかもしれません。

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